
筆者は、若い頃からデブで眼鏡で薄毛なので自分がモテるとは思わない。だから初めからモテている男性の恋愛についてはわからない。だが、モテないながら4回結婚できている。この実績を提げて、自分なりの恋愛論を非モテ学生諸氏に提供したい。
H期別恋愛指南
男の恋愛はHが動機だ。Hするためなら何でもする。そのときは永遠の愛だと真剣に考えている。それが愛でない場合、1回Hするとスカっと冷めてしまうこともある。Hしてからが本当の人間関係が始まる。
Hしたいと思わなければ恋愛は始まらない。もしHなしでプラトニックだけの恋愛があるならば、人間的に素晴らしい気の合うオジイと恋愛できるはずだ。年齢の近い異性に惹かれがちなのは、Hが動機であるからに他ならない。
もし「自分は違う、Hは恋愛の動機ではない」という方には、本稿はあまり参考にならないかもしれない。ここでは、それを受け入れる方を対象に話を進める。
Hが動機なので、男性の恋愛はHを軸に感情が変遷する。仮にここでは、男性の恋愛を、1:H訴求期、2:H満足期、3:倦怠期の三期に分けることにする。
1:H訴求期の恋愛
H訴求期の男性は冷静な判断なんてできないので、突っ走ったほうがいい。ダメ元で突撃すべし。
もし、自分はブサイクだ、彼女に似合わない、彼女を幸せにする資格がない、性的に汚れているから清廉な彼女を汚す権利がない、恋愛に向いてないなどと思っている人がいたら、それは間違いだ。
ブサイクかどうかは相手が決めればいい、ブサイク基準は女性によって大きく違う。男性だってデブ専から貧乳好き、頭の良し悪し、素行の良し悪し、芋好き、ブサ好き、熟女好きなど好みはバラバラ。女性も同じだ。
似合わない、幸せにする資格がない、は付き合ってみなければわからない。
性的に汚れているというなら、女性も同じ。
恋愛に向いていない生物などいない、もし世界的に非常に珍しい人種だと自分を評価するなら、自意識過剰にも程がある。そこは冷静になれ、ほとんどの人は恋愛についてただのヒトだ。
筆者の尊敬すべき先輩が「恋愛に重要なのは、マメさだ」といったことがある。マメに口説き、一所懸命楽しませよう、喜ばせようとすれば、女性は必ず振り向く。背が低く不細工だった先輩は、しかしマメさで浮名を流したことがあったようだ。
また別の話だが、ある女性の元アイドルが恋愛の動機について「この人の子供が欲しいと思うかどうか」だといったことがある。生々しくてリアルだ。子供が欲しいと思わせる何かがあれば、それが女性にとっての魅力になるらしい。
2:H満足期
もし無事にH満足期に入れたら、次にすべきことは以下の2つだ。
・価値観、倫理観、癖の評価
・Hの相性を図る
・価値観、倫理観、癖・身体性の評価
価値観、倫理観、癖・身体性は、一定時間一緒にいないとわからない。相手のことも自分のことも。だから、Hに満足している間に自分と相手について、できるだけ冷静に評価することは重要だ。
価値観は一致する必要はないが、相手がどんな価値観をもっているかを知り、自分がそれを許容できるかどうかを知ることは重要だ。意識高い系に対する立場、おしゃれ・化粧・服飾の趣味(高級志向、本物志向が好きかどうか)、マナー、休日の過ごし方がアウトドアかインドアか、昼型か夜型か、社交的(パーティ好きなど)か内向的(出不精など)か、哲学・芸術・スポーツの見方、科学・オカルト観(心霊やUFOをどう考えるのかを重要視する人もいる)など。
多くの人は、自分が意外に偏狭であることにも気づくのではないか。
価値観の中で意外に重みがあるのは、仕事・収入・お金の使い方・住む場所についての価値観だ。仕事を変えてもいいか、大切なのはお金かやりがいか、家が欲しいか借家がいいか、一生いまの場所にいたいか県外海外に住んでみたいか。H満足期なら穏やかに話せる話題も、倦怠期になると話しにくくなる。
倫理観は、価値観より重要だと思う。
政治・宗教観、酒・タバコ・ドラッグについての許容範囲、犯罪についての許容範囲(全ての犯罪がダメか、万引きなら許せるか、一定の暴力は許せるか)、
特に何に差別をしているかを知ることは重要だ。普通の人間関係では「自分は何に差別意識をもっているか」という話にはなりにくい。特に恋愛相手にはかっこよく自分を見せたいので自分は差別なんかしない、というのが普通だし、若い頃は自分は差別なんかしていないと思う人が多いかもしれない。しかし筆者の経験からいえば、誰でも多かれ少なかれ差別意識はもっている。性別・性癖、国籍・出身地、肌の色、学歴、障がい、犯罪歴、趣味など。「自分にはない」と考えるより、自分の中にある差別感を知り、それを乗り越えようとする方がリアルな自己評価だろう。恋愛においては相手の差別意識の何が許せないかを、あらかじめ知っておくべきだ。例えば、相手がどんな宗教を持っていても自分は許せるだろうか?、相手が外国人や学歴への差別をするとき自分はどう感じるか?、LGBTqに対する姿勢は自分の倫理観に許容できるか?
ここは恋愛観を語る場なので、差別をするべきでないなんて綺麗ゴトはいわない。ただ、自分や恋愛相手の中にある倫理観が、やがて恋愛の破局のきっかけになることがあることを教えたいだけだ。
癖・身体性についても、多くの人は意外に不寛容だ。
かつて、一旦婚約した有名人女性が、男性のそばをすする音が嫌いといって婚約解消したことがある。
そんなことは日常生活していれば気づくはずだ。あるいは、婚約に至る情熱がそれをかき消していたかもしれないが、生涯共にすることを冷静に考えたときに許せないと気づいたのかもしれない。
体臭、おなら、トイレの匂い、いびき、寝姿、変な癖、彼女にも必ず癖や身体性の特徴がある。
もちろん、自分の癖・身体性を彼女が許してくれていることは(あるいはやがて許してくれなくなる日が来ることは)、自覚しなければならない。
・Hの相性
Hの相性は意外なほど重要だ。日々の生活の中で、ボディブローに効いてくる。
経験的にいえば、学生時代は自分のHの好みもまだわかっていない。ノーマルな正常位だけを好む人から、さまざまな玩具を駆使するタイプ、演劇性を求めるタイプ、激しいのが好き、静かなのが好き、さらに深みに向かう人。自分自身もいろいろ試してみた方がいい。意外な自分を発見できるかもしれない。
実は貧乳が好きなのに、彼女が巨乳なら、いつか貧乳の女性と浮気をする可能性が高い。
価値観や倫理観、趣味が一致しても、Hが合わないために長続きしないこともある。
価値観、倫理観、Hの相性は必ずしも全てを一致する必要はない、というか全てが一致することは不可能だ。むしろ、自分の知らない世界を知っていることが魅力であることもある。
重要なのは「何を許せないか」を知ることだ。
いい人であればあるほど、本当は許せない何かを彼女の前では包み隠し続けるかもしれない。許せない自分の心が狭いからと、自分を責めるかもしれない。だが、人間である限り、許したくても許せないことがある。そこは自分の中を深く掘り、本性を発見し、自分自身の偏狭さを認めて許した方が良い。
十分な洞察を乗り越えた恋愛ならば、友情とはずいぶん違うところにたどり着いている実感が持てるのではないか。
3:倦怠期
Hは飽きる。恋愛の推進力であったHのパワーが切れてしまうと、一緒にいる動機は、人間関係だ。
満足期に先述の洞察を進めた君なら、この期を乗りこなすことができるだろう。乗りこなすとはどういうことか、それは生涯を共にする=結婚という選択肢が現実的にあるということだ。
この時期、人間的に相性の悪い相手なら別れるべきだ。やがてくる結婚の妨げになるからだ。大丈夫、互いによりよい相手は必ず他にいる。
この時期に計るべき最後の価値観は、子供の教育方針だ。
のびのび育てたいか、塾や習い事などを充実させたいか、中学受験をするか、いじめや性の悩みにどう答えるか、仕事感をどう育てるか、叱り方・誉め方、ほとんどの家庭で、夫婦の子供の教育方針は異なる。こどもが現実的でないときに、お互いの教育に対する本音を知っておくことは必ず役に立つ。
どっちみち、実際に生まれてみると価値観は変わるが、事前に一回すり合わせておくと、「こんなはずじゃなかった」感は大幅に減らすことができる。
ちなみに、Hに飽きたとしてもHの相性が十分ならば、しばしばHはできるし、満足を得られる。
男性には浮気の誘惑は一生ついて回るものだし、「自分は誠実だからそんなはずはない」などと自分を誤魔化さない方がいい。浮気の誘惑を受け流すには、彼女とのしっかりした人間関係と、たまにする相性のいいHがフックになる。
訴求期と満足期で自分の恋愛観を十分に洞察することで、この浮気が「奇跡の出会い」なのか「ただHがしたいだけ」なのかを知ることが、ある程度は可能だ。また、浮気相手との価値観・倫理観の相性を探ることでも、自分の暴走機関車をなだめることができるかもしれない。
正直、40代くらいまでは、冷静な判断は難しいかもしれない。
最悪、子供がいなければ浮気相手に乗り換えることはやむを得ないかもしれない。逆に、相手が乗り換えてしまうリスクがあることも、忘れてはならない。だから、倦怠期にあってなお彼女との関係が良好なら、その関係を維持することに頑張ることを勧める。
Hの倦怠期は一生続く。やがて二人の間にきれいさっぱりHがなくなることもあるだろう。二人の相剋はどんどん深まる。ストレスが我慢し切れない段階を迎えることもある。それでも、居心地のいい家庭があれば、互いの努力でそれを乗り越えられる。
社会に出ると人は変わる
最後に、重要なポイントをもうひとつ。男性も女性も、仕事を初めると人柄が変わることを覚悟すべし。
価値観やライフスタイル、趣味も変わるかもしれない。今の相手がどんなに好きでも、相手は歳と共に変わっていってしまう。あの頃の彼女は永遠に失われてしまう。だから学生時代に付き合い始めると、変化の早い方に対し遅い方が戸惑う。それはやむを得ない。
仕事を始めると、社会のルールを学び、馴染み、仕事が身につき、生活に自信が生まれ、新しい視野が持てるようになる。それはいいことだ。そのとき、学生時代とは違う人柄になったとしても責めることはできない。むしろ、それでも人柄・価値観が変わらないなら、成長していないという意味で、いいこととはいえない。
そして、生涯この変化は起こり続ける。
大人の世界は、目の前の現実がダイナミックに変化する。さまざまな成功・失敗、出世・収入の向上、社会環境・世界状況・天変地異、友人たちの結婚・出産・ライフスタイルの変化、事故、身近な人の死。その度に人は深く考え、何かの結論を得、価値観やライフスタイルは変わり、相応して人柄も変っていく。
変わらないものもあるだろうが、何がどこまで変わるのか、変わらないのかをあらかじめ予想するのは非常に難しい。
それでも二人を繋ぐものは、一緒に過ごした「思い出」と、こどもたちだろう。
人間は、恋愛と一生付き合い続けなければならない。70代の女性に、男友達が実は別の女性を口説きたくて自分と3人でデートしている、とこぼしているのを聞いたことがある。(おそらくこの3人は3人とも伴侶と死別している)
だから、20代もそこそこに恋愛を諦めてはいけない。